臨床検査室
臨床検査室
臨床検査室の役割
臨床検査室では、体液の分析をしたり、血液や体の機能について調べています。 臨床検査には、血液・尿・喀痰・胸腹水などの検査材料について行う検体検査と、心電図・エコー検査・肺機能検査などの体の機能について検査する生理機能検査があります。
当院では、ほとんど全ての検査に対して迅速対応しており、検査結果をもとに受診当日に治療を受ける事が可能です。 また、心電図やエコー検査では女性の方に対して女性の検査技師が検査を行うように配慮しています。
(但し、夜診ではご希望に添えない場合があります。)
検査項目についての検査説明書は診察時にお渡ししています。 ご不明な点は医師または臨床検査技師におたずね下さい。
- 生理機能検査
- 検体検査
■ 心電図検査
安静時心電図
心臓は全身に血液を循環させるポンプの役割をしており、拡張と収縮を繰り返しています。心臓の動きを波形として記録する事で心臓全体のはたらきを調べることができ、不整脈や刺激伝達異常、狭心症や心筋梗塞、心肥大などの心臓病の発見や診断、病状の把握などに欠かせない検査です。
マスター2階段試験
凸型の階段を昇降し、その前後の心電図を記録する事で心臓の虚血性変化を確認します。
ホルター心電図記録
携帯型の小型心電計を装着して頂き心電図を24時間記録します。
入浴は控えて頂きますが、その他は普段通りの生活を行って頂きます。
■ 超音波(エコー)検査
超音波(エコー)検査超音波検査機器を用いて体の内部を観察します。
皮膚表面にゼリーを塗りプローブ(超音波を発する探触子)を当てるだけなので、無害無痛の検査です。
腹部(肝臓・胆嚢・膵臓など)、泌尿器、心臓、頸動脈 乳腺 甲状腺上肢・下肢血管等を検査しています。
■ 肺機能検査
肺を中心とした呼吸器の病気が疑われる時に行う検査です。最大限に息を吸ったりはいたりできる量を測定し肺の大きさを調べる方法と、いっぱいまで吸った息を一気にどれだけ強く最後まではききる事ができるかを測定し、努力性の肺活量を調べる方法の二種類を行います。それにより、肺の機能障害や肺の容量を知る事ができます。
■ 眼底検査
眼底を撮影する為の特殊なカメラを用いて眼底の血管、網膜、視神経を調べる検査です。
眼底を観察する事で動脈硬化、糖尿病、高血圧などの病状が推察でき、網膜剥離や眼底出血、緑内障などの目の異常を見つける事が出来ます。
■ PWV/ABI(脈波伝播速度)
PWV/ABI検査で血管のしなやかさ(血管年齢)と血管の詰まり具合などの早期血管障害を発見することができます。
PWVとは、心臓から押し出された血液により生じた拍動が血管を通じて手や足に届くまでの速度を測ることで血管のしなやかさ(血管年齢)がわかります。
ABIとは、足首と上腕の血圧の比を測定する事で「血管のつまり具合」がわかります。
■ 脳波検査
脳は活動にともなって常に微弱な電波を出し続けています。
その電波の変化を頭部に付けた電極でとらえ、波形として記録するのが脳波検査です。
けいれんや、意識障害がみられるとき、てんかんが疑われるときなどに行われ、脳腫瘍などの診断にも用いられる事があります。
■ 簡易聴力検査
主に健診で行われている一般的な聴力検査です。
■ あたまの健康チェック(認知機能検査)、嗅覚検査
現在は、海南市の脳ドックに実施しています。
今後は対象を拡大する予定です。 2023.12
■ 生化学検査
血液の様々な成分を分析することで、からだの状態を知り、その変化から病気の状態を推測していくことができます。 治療に貢献すべく、正確で迅速な対応を心がけています。
■ 免疫検査
腫瘍マーカー
単独あるいは組み合わせて検査することで、癌の存在・部位・種類・進行度などを推測できます。
CEA CA19-9 AFP PSA
甲状腺機能検査
甲状腺ホルモンの過剰や低下から異常を見つけます。
TSH FT4 FT3
■ 血液学検査
血球数算定
血液中の赤血球・白血球・血小板を数え、貧血や炎症、血液疾患の有無を調べます。
白血球分類(血液像)
白血球を分類して炎症や血液疾患の状態を推定します。
■ 血液凝固能検査
PT(プロトロンビン時間) ワーファリンというお薬の効果をみる検査で、内服量の指標として用います。出血傾向を数値として表します。
■ 心筋梗塞、心不全等の検査
トロポニンT
心筋梗塞で上昇し、持続します。
H-FABP
急性心筋梗塞の早期診断ができます。
D-ダイマー
数値の上昇は血栓の存在をしています。深部静脈血栓症の診断に用いられます。
NT-proBNP
心不全の病態把握や心機能障害の指標として有用です。
■ 一般検査
尿検査
尿中の蛋白・糖・血液などの量を調べる事ができます。
また顕微鏡で尿中の成分を観察する尿沈渣では白血球・赤血球・細菌・上皮細胞を観察し、腎疾患や尿路感染症を推測する事ができます。
便潜血検査
消化管からの出血の有無を数値で見る事ができ、健診では大腸がんの発見を目的に行われます。
連続した高濃度の出血が認められた場合には内視鏡を使った精密検査が必要です。なお、痔・生理中では正しい判定ができません。
■ 輸血検査
重度の貧血や出血、血液凝固異常に対して治療のための輸血を行います。
血液型検査
ABO式 Rh式血液型を調べます。
不規則抗体検査
ABO式以外の赤血球に対する抗体を調べます。
交差適合試験
輸血用血液が患者様に適合しているか確認をします。
■ 尿素呼気検査
胃内にピロリ菌が感染しているかを調べます。
検査薬を服用し、服用前後の呼気を集めて二酸化炭素の濃度により診断します。
ピロリ菌は、胃炎・胃十二指腸潰瘍がある場合に癌化を引き起こす事が知られており、胃十二指腸潰瘍又は、胃炎が内視鏡で診断されている場合のみ除菌治療が保険適用となっています。
■ 感染症の検査
インフルエンザウイルス、ノロウイルス、肝炎ウイルス、HIV, 梅毒などの検査も行っています。
新型コロナウイルス感染症は、コロナ抗原検査とPCR検査で対応しています。
細菌検査や病理・細胞診は外部委託しているため、結果報告に数日要します。